ぶどう畑
長野県北安曇郡池田町は安曇野の北部に位置し、北アルプスを望む風光明媚な地域です。年間を通して降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きいため、ぶどう栽培に適しています。特に地元で東山と呼ばれる丘陵地は、西向き斜面で日当たりが良く、30年以上前から欧州品種の垣根栽培が行われています。私たちの畑もその東山にあり、畑から北アルプスの山々や安曇野の風景を見渡すことができます。


<圃場データ>
- 場所:長野県北安曇郡池田町
鵜山地区、渋田見地区 - 標高:約620m
- 向き:西向き斜面
- 圃場面積:約3.3ha
- 品種:
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ゲヴェルツトラミネール、メルロー、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、バルベーラ、サンジョベーゼ、マルベック
栽培について
“良いワインは良いぶどうから”
とよく言われますが、良いワイン、良いぶどうとは?
いろんな定義ができると思いますが、ここでは良いワインとは品質が良く、そしてシンプルに私たちが美味しいと思えるワイン、そして、良いぶどうとは良いワインを作るために必要な健全で凝縮感のあるぶどうと考えます。
とは言っても、健康なぶどうの樹を育てて良いぶどうを作るためにはどうしたら良いのだろうか、と日々頭を悩ませ試行錯誤の毎日です。

<栽培上のこだわり>
環境への配慮をしながら、農家としても経営継続できるような栽培方法を模索しています。ぶどう畑では、できるだけ土壌や畑の生物多様性を損なわないように草生栽培を行い、原則、除草剤や殺虫剤は使用しません。日本はぶどうの生育期に雨が多く、べと病などの菌による病害が発生し易い気候条件ですが、殺菌剤は必要最低限の使用に控えるよう心がけています。
ぶどう畑では毎年、毎日、いろんな発見があります。これからも工夫をしながら良いぶどうを作るには?美味しいワインを作るには?に対する答えを追求し続けていきます。

<ぶどうの管理>
ぶどうの管理は、冬期の剪定に始まり、春夏の生育期を経て秋の収穫で1周します。成育ステージに合った適期の作業は当然のことながら、剪定方法、収量管理、土壌環境、収穫時期の見極め、収穫時の選果、適切な防除など、良いぶどうを作るために試行錯誤しながら栽培に取り組んでいます。

醸造
ワイン造りは、どこか料理にも似ています。「良いワインは良いぶどうから」。
この言葉のとおり、美味しいワインにとって、何よりも大切なのは、原料となるぶどうの鮮度と品質です。
そこに加わるのは、品種の個性を引き出す酵母の選定や醸造技術、そして最終的な味わいを思い描くセンスと情熱。一本のワインが生まれるまでには、こうした要素が繊細に絡み合っています。
私たちは、ぶどう農家として、健全で凝縮感のあるぶどうの栽培と品質の確保に日々取り組んでいます。そして、そのぶどうの個性を最大限に活かす醸造スタイルを追求しています。
現在は、車で5分ほどの安曇野市にある「ル・ミリュー」さんに醸造を委託しています。代表の塩瀬さんとは、長年ぶどう栽培を通じて信頼関係を築いており、毎年一緒に仕込み方法を検討しながら、理想の味わいを目指して二人三脚で進めています。醸造工程にも実際に関わらせていただき、自家醸造の夢に向けて学び続ける貴重な場となっています。
2020年の初醸造から、少しずつラインナップを増やしながら、理想の味わいに近づく手応えを感じています。ただ、ぶどうは農産物。天候などの自然環境に左右されるため、思い通りにならないことも多々あります。ですが、だからこそ、ワイン造りには奥深さと魅力があるのだと感じています。
2025年、リリースから5年目。私たちは、自分たちが描く理想の味わいを追い求める旅の途中にいます。毎年の経験を糧に、ぶどうと真摯に向き合いながら、より良いワインをお届けできるよう、これからも挑戦を続けていきます。
